TOTEC BENEFIT PRESS
ACTIVITIES REPORT
活動報告
活動報告
REPORT
2024.09.30
INTRODUCTION :
富士スピードウェイにて行われた「Eco Car Cup 2024 Summer」(180分耐久レース&60分耐久レース)に参戦してきました。
OUTLINE :
概要
ACTIVITIES :
メンバーからのレポートより
【 前日練習 】
昨年は「プリウスPHV」で出場しましたが、今回やっとの思いで用意することができた車は純ガソリンエンジン車の「MAZDAデミオ」です。
最新のHV車に比べてエコカーカップにおいては優位性が高いとはいえない車種になるため、チームワークでそれを補うことを目的にこれまでの活動で様々な練習を重ねてきました。
最終確認として、大会前日に富士スピードウェイで行われた練習会に参加をして準備万端…という計画でしたが、走行を担当したドライバーの誰1人も想定していたタイムが出ず、平均燃費値も思ったより低く、チーム全体に不安な空気が漂い、チームから笑顔が消えてしまいました
これではまずいということで、急遽、宿泊場所から歩いてすぐの焼き鳥屋さんで、夕食を兼ねた決起会を開催しました。
「乾杯!」と声を合わせるとすぐに、「ライバル達の走行ラインはどうだった」「タイヤのフィーリングはどうだった」などなど、練習会で感じた率直な意見が飛び交いました。
徐々にチームみんなに笑顔が戻りはじめ、締めのデザートは「生キャラメルアフォガード」にするか「ぷるるんわらび餅」にするかで盛り上がり、大変意義のある決起会になりました。
【 決勝レースの朝 】
翌日の朝を迎え、宿泊先からサーキットへ向かう車の中から見える富士山の裾野には一面雲が覆っていました。
肌寒く感じる気温で、天気予報は「曇り一時雨」と不安定な予報でした。こんな日はレースが荒れる予感しかしません。
朝7:00にチームのメンバー全員がサーキットに集合し、レースに向けた朝礼を行い、準備を進めていきます。
昨夜みんなで話した、タイヤのフィーリングについて、少しでも改善できるように空模様と気温、路温を確認しタイヤの空気圧(内圧)を決めて最終調整しました。
その甲斐があり、決勝レース前の練習走行と予選走行を担当したドライバー達みんなで、タイヤのフィーリングが改善していることが確認できたので一安心です。
【 決勝レース スタート 】
10:30になると、スターティング・グリッドには79台のマシンが整然と並びました。
41番目のスタート位置にチームの車を止め、チームのみんなで記念撮影をした後は車の近くで最後のミーティングです。
徐々に緊張感が高まりますが、円陣を組んでスタートを担当するドライバーとパッセンジャーに勇気を与えます。
11:01、定刻より1分遅れてレースがスタートしました。スタート直後、今朝の嫌な予感が的中してしまいます。
スタートの合図と同時に79台が一気に加速し、上位を狙う集団が第一コーナーへ雪崩れ込んだところで複数台が絡むマルチクラッシュが発生。故障してコース上に立ち往生してしまう車も数台発生しました。
私たちの車は運よく巻き込まれることなく事故を回避することができましたが、レース開始早々にイエローフラッグやレッドフラッグが出る荒れたレースとなってしまいました。
そんな緊急事態発生にも、チームみんなで連携しながら落ち着いて戦略変更など迅速な対応できたのも常にメンバー同士でコミュニケーションをとることを心掛けてきたおかげです。
【 変わりゆく路面コンディション 】
レッドフラッグ掲示によるレース中断が明けた後も、路面の状態が目まぐるしく変化するレースとなりました。
小雨が降ってハーフウェット状態。そうかと思えば陽が差して路面が乾いてドライ状態。少しすると黒い雲がやってきて、大雨でウェット状態となった後、またドライ状態に戻るといった具合の繰り返しでした。
難しい路面コンディションではタイヤの性能差を顕著に感じます。車の管理・メンテを担当する私は、「新しいタイヤを購入してレースに出ればよかった」とチームみんなに申し訳ない気持ちでいっぱいです。
まさに「タイヤは命を乗せている」を痛感しました。
【 練習の成果 】
8月の猛暑日に、チームみんなで練習したPIT作業練習は、レース中にしっかりと成果としてあらわれました。
ドライバーチェンジを行うPIT作業の回数が、レースの規定で7回以上と義務付けられています。そのすべての作業で ドライバー、パッセンジャー、ピットクルーがミスなく作業を完了させることができました。
メンバー間で必要最小限の意思確認をしてすぐに行動する素早さは、参加したどのチームにも負けていなかったのではないかと自負しています。
【 レースを終えて 】
「人」「車」ともに怪我なく・事故なく無事完走できて「ほっとした」という気持ちがレース直後の率直な感想です。
レース中の尋常ではないプレッシャーに押しつぶされそうになり「もう、二度と出場しないぞ(泣)」と心が折れそうになる瞬間もありましたが、ゴールを迎えた時のチームみんなでやり遂げた達成感は何事にも代えがたい気持ちでした。
車を操ることができるのはドライバーだけですが、ドライバーを支えるチームの仲間で心を一つにして無限の努力をする。そして「応援してくれる皆さん」の励ましを力に変えてレースを走り切るという素晴らしさこそがモータースポーツの醍醐味です。
レースをする時も、レースを応援する時もこの気持ちを心に深く刻みながらTOTEC自動車部一同はこれからもモータースポーツを楽しんでいきます。
【 おまけ 】
今回のレースでは、大会初となるFCEV(燃料電池車)クラスが設けられました。エコカーカップの未来にむけた大きな一歩となる大会だといえます。FCEVは水素と酸素を化学反応させて電気を作り、その電気によって電気自動車を(EV)を走らせる仕組みの車です。TOYOTAの「ミライ」「クラウンFC」などが対象車種になります。
そして、今回このFCEVクラスに「トヨタイムズ」さんが「ミライ」でエントリーしていて、誰もが知る富川悠太さんも参加されていました。 開会式で富川さんがご挨拶をされて、「PITの中で水素を使ってピザを焼いています。参加全チームに1枚ずつプレゼントしますので、レース中にPITへ遊びに来てくださいね!」という嬉しいサプライズがあり、水素で焼いた美味しいピザを食べながら、水素を使った車と一緒にレースができ、大変貴重な経験をさせて頂きました。